平成26年の年頭にあたり、住民に対する防火・防災意識の啓発と消防職・団員の士気の高揚を図り、
併せて、防火防災関係者・住民一体となった安全で安心して暮らせるまちづくりを推進することを目的
に網走地区消防組合の各署団において新春恒例の消防出初式が挙行されました。
出初式の歴史
出初式の起源は、今から350年ほど前の江戸の時代、1659年(万治2年)にさかのぼります。
明歴3年(1657年)に発生した明暦の大火では火勢を食い止めることが出来ず、江戸城天守閣を含む
江戸の大半が焼失、3万人から10万人と推計される犠牲者を出し、江戸の歴史上最大の被害となりま
した。
そのため、明暦の大火翌年の万治元年(1658年)、幕府直轄の新たな消防組織として、定火
消が制度化されました。4000石以上の旗本から4名(秋山正房・近藤用将・内藤政吉・町野幸宣)が
選ばれ、臥煙(がえん)と呼ばれる火消人足とともに火消屋敷(消防署の原型)に居住し、消防活動
を担当することとなりました。
翌万治2年1月4日、老中・稲葉正則に率いられた定火消4組が上野東照宮に集結し、気勢をあげ、この行動は出初と呼ばれ、
明暦の大火後の復興作業に苦しんでいた江戸の住人に対し、大きな希望と信頼を与えました。
以降、毎年1月4日に上野東照宮で
定火消による出初が行なわれるようになり、次第に儀式化していき、出初は大名火消によっても行なわれ、派手な装束と勇壮な活
躍で知られた加賀鳶の出初では、梯子の曲乗りが衆目を集めるようになりました。
これが契機となり、お正月の恒例行事として現在まで受け継がれています。